都立桜修館中等教育学校平成26年度学校経営計画が発表されました。
学校側からの発表は以下の通りです。
平成26年度
東京都立桜修館中等教育学校
学校経営計画
校長 金田喜明
I
目指す学校
本校は、これまで積み上げてきた進路指導体制によって、一期生から三期生まで所期の成
果を挙げて卒業した。本校に対する保護者をはじめ都民の期待は大きく、今後も生徒の進路
実現のさらなる向上を図る。また、中等教育学校としての使命及び、開校以来の教育理念を
堅持し、これまでの教育活動の実践で得られた知見を踏まえて、目指す学校像を以下に示す。
(1)
【目指す生徒像】
生徒が、バランスの取れた幅広い学力と論理的に考えて表現する力を
身に付けることで広い視野を身に付け、困難な課題に主体的に取り組み、強い意志をも
って粘り強く解決することができる資質を育てる。
(2)
【特色ある教育課程】
6
年間を見通した教育課程を編成して、中高の継続を最大限に活
用して高い知性を身に付けるとともに、思考力、判断力、表現力等を着実に養成する。
(3)
【豊かな人間性】
1年生から6年生までが共に学ぶ学校としての特長を活かし、生徒各
自が交流し、相互に尊重しつつ切磋琢磨して豊かな人間性をはぐくみ、強靱でしなやか
な心と身体を養う。
(4)
【国際的な視野】
グローバル化が進展しつつある今日、我が国の伝統・文化を理解し、
日本人としてのアイデンティティと自信をもち、同時に他国の文化を尊重し、国際社会
で貢献できる人間を育てる。
(5)
【社会と共に歩む】
進路実現のため、大学教育との連携を深めつつ、それに留まる
ことなく地域の義務教育、特別支援教育、生涯教育などとも連携し、開かれた学校
づくりを推進する。
II
中期的目標と方策
「I」で示した「目指す学校」を実現するため、授業の充実、進路実績の向上、生活指
導の改善、広報活動の拡充の4つについて、中期的展望に立って重点に取組む。
<学習指導>
(1)
【教育課程】
6年間を見通した教育課程を編成する。前期課程3年間及び後期課程2年
間は広く教養を身に付けるために、必修科目を中心に教育課程を編成する。また、進路
実現を図るため、特に国語・数学・英語では基礎学力の定着と応用力の充実を図る。
(2)
【論理的思考の育成】
人文・社会・自然の各分野で学問的探究ができる人間、社会の各
分野において指導者として活躍できる人間を育成するため、
論理的な思考力を育成する。
そのために、学校として特色ある科目を設定し、実施する。
(3)
【体験活動・発表活動】
社会・理科での観察・実験・実習などの体験活動を重視した授
業や、異文化理解を深めるための第二外国語選択授業、ディベート、弁論大会、演劇な
どを取り入れた教育活動を通して、プレゼンテーション能力を高める。
(4)
【研究論文の作成】
研究論文の作成を行う。前期課程において論文作成の基本を身に付
け、後期課程においてすべての教員の指導の下で個別の研究を進める。最終学年の第6
学年では、個人別研究論文の要旨を英語で表現する。
(5)
【研修等】
授業力の向上を図るため、相互授業見学や教職員研修センターや大
学等との連携を通して教科の指導法について研修と開発に努め、また計画的に
研究授業を行って研究協議をするとともに、その成果を研究収録にまとめる。
<進路指導>
(6)
【進学指導】
6年間を見通した進路指導計画を策定し、発達段階に応じた進路指導を行
う。後期課程では大学受験に向けた指導計画を策定し、資料・情報の収集と整理に努め、
有効に活用して、生徒の進路実現に全力を挙げる。
(7)
【キャリア教育・大学との連携】
健全な勤労観・職業観を育成し、自己の進路を主体的
に決定できる能力を育成するために、キャリア教育を実施する。生徒の研究心や専門的
な知識を深めるため、大学との連携を図り、特に理系志望の増加につなげる。
<生活指導>
(8)
【基本的生活習慣】
教育活動の基礎は生活指導との認識に立って、基本的な生
活習慣を確立させる。その上で規範意識・道徳心を育て、自主・自律の態度や
積極的で前向きな生活態度を養う。前期課程では、給食指導等を通して食育指
導を充実させ、心身共に健康・健全な学校生活の確立を図る。
(9)
【特別活動】
生徒の主体的に取組む態度を育成する。前期課程では、学級活動
や部活動などの特別活動の指導の充実を図る。また、宿泊行事を通して、集団
生活上のルールを体得させる。後期課程では、主体的な企画・運営ができるよ
うに自治会活動、
委員会活動、
部活動や学校行事への積極的な参画を指導する。
<広報活動>
(10)
【募集・広報活動】
生徒・保護者・地域社会の期待に応えるため、授業公開や
学校説明会を定期的・計画的に実施するとともに、ホームページの内容を充実
させて、積極的な情報発信を行う。また、地域や関係機関の取組に積極的に協
力し、信頼される学校づくりを進める。
III
今年度の取組目標と方策
(1)教育活動の目標と方策
<学習指導>
①
【総則】
前期課程では、幅広くバランスのとれた学力を身に付けて、後期課程への円滑な接
続を行い、後期課程では、進路実現に向けた確かな学力の向上を目指す。
②
【授業時間の確保】
授業が学校の教育活動の中心であるとの観点に立って、年間授業計画、
週ごとの指導計画に基づき、チャイム始業を励行して授業時間をできるだけ確保する。
③
【土曜授業】
学校週5日制の趣旨を踏まえながらも、土曜日の有効な活用を図り、授業時間
を確保して、無理のない学力向上を目指す。
④
【授業改善】
「生徒による授業評価」や外部評価の結果を積極的に活用し、授業改善に取り
組む。また、授業研究や校内研修、教員相互の授業参観や研究協議などを通して、OJT
研修を実現し、教員の指導力・授業力向上を目指す。
⑤
【論理学習】
本校独自の教科である「国語で論理を学ぶ」「数学で論理を学ぶ」の授業をテ
ィームティーチングで行い、論理的な思考力を育成する。また、各教科等で討論や発表な
どの学習を積極的に取り入れ、言語活動の充実を図り、論理的に考える姿勢を育成する。
⑥
【研究論文】
5年生の「研究論文作成」では、全教員が生徒を受けもち、構想段階からまと
めの段階まで継続的に指導する。その際、資料収集や調査方法、論証方法等で指導力を高
め、その成果を生徒への指導に還元する。
⑦
【自学自習・補習・チューター制度】
朝学習、放課後の自習及び長期休業中の補習を行うこ
とで、学習習慣を定着させ、基礎学力を確実に固めるとともに、自学自習の態度を育成す
る。また、チューター制度の活用に努め、生徒の自学自習を支援する。
⑧
【家庭学習】
宿題や課題の出し方に工夫しつつ適切に出題し、その事後指導を行う。家庭学
習を出題する際には、教科間で調整を行う。また、予習・復習のやり方を具体的に指導し、
家庭学習が必要な授業展開を行うなど、家庭学習に前向きに取り組めるようにする。
⑨
【読書指導】
本校の図書館等を有効活用して、あらゆる教育活動を通じて読書指導を
行い、生徒が読書の楽しさを身に付けられるように指導する。
⑩
【中間期の学習指導対策】
いわゆる中だるみを防止するため、単元テスト、宿題テスト、定
期考査など常に小目標を設定し、自ら学ぶ姿勢を維持させる。3学年では、外部模試や自
校問題作成校の問題等を利用した取組などを実施し、後期課程に円滑に接続させる。
⑪
【資格・検定】
各種の校内コンクールの開催、資格・検定への受験指導などを行い、自己啓
発を図り、生徒に達成感や成就感をもたせる。
<進路指導>
①
【総則】
6年間を見通した進路指導計画を作成し、系統的な進路指導を行う。また、進学指
導については、生徒各自が高い志を持って、難関国立大学をはじめとする国公立大学及び
難関私立大学を目指して、チャレンジするように学校として一体となって指導する。
②
【前期課程の進路指導】
前期課程では、社会で働く人々と職業に対する理解を深め、自己と
のかかわりについて主体的に考える姿勢を養う。また、職場体験を実施し、働くことの意
義や社会に貢献する意識を養い、健全な勤労観・職業観の育成を図る。
③
【後期課程の進路指導】
後期課程では、前期課程で学んだことを踏まえ、職業研究や
大学研究などの調べ学習、オープンキャンパスへの参加、學フォーラム等を通して、卒
業後の進路を明確に自覚させ、目的意識をもって日々の学習に取組むように指導する。